宇宙線研究所共同利用研究会 「ガンマ線天文学 〜日本の戦略〜」

11月16日から3日間開催される、宇宙線研究所共同利用研究会 「ガンマ線天文学 〜日本の戦略〜」のfinal circularをお送りします。 なお、講演・旅費の申し込みは締め切りましたが、当日のご参加は自由です。 CTA-Japan コンソーシアム
http://cta.scphys.kyoto-u.ac.jp/)では、多くの皆様のご参加をお待ちしております。

CTA-Japan一同

CTA計画書 ダウンロード

宇宙線研究所共同利用研究会  
「ガンマ線天文学 ~日本の戦略~」

開催日時 : 11月16日 (火)  10:30~18:30 研究会
       11月17日 (水)    9:30~12:15 研究会
               12:15~16:20 CTA-Japan Collaboration Meeting
場  所 : 東京大学 柏キャンパス 宇宙線研究所6階 大セミナー室

開催日時 : 11月18日 (木)  9:00~16:30 Boot Camp
場  所 : 東京大学 柏キャンパス 総合研究棟6階 大会議室

通常形式の研究会は 2日目午前中までです。2日目午後からと3日目は、CTA-Japan の
Collaboration Meeting とブートキャンプに充てられますが、3日間どなたでも参加
可能です。なお、ブートキャンプ(新兵調練)とは、主に実験開発に関して状況や知
識を共有するための勉強会とお考えください。

趣旨:
Cerenkov Telescope Array (CTA) は、次世代の地上 TeV領域ガンマ線観測プロジェ
クトです。現在、HESS, MAGIC, VERITAS などの目覚ましい活躍で大きく発展してい
る TeV 領域ガンマ線宇宙物理学ですが、CTA はその決定版となるべく、数十の巨大
な望遠鏡群により現在より一桁以上高い感度と、より広い光子エネルギー領域を達成
しようという野心的な計画です。現在、欧州を中心に検討が急速に進んでおり、準備
段階研究が正式にスタートしました。アメリカも最近合流し、世界で一つの大プロジ
ェクトとして実現の見込みはますます高まっています。完成すればガンマ線だけでな
く、広く高エネルギー宇宙物理学全般を強力に牽引することになるでしょう。

このプロジェクトに日本が重要な存在感を持つグループとして参加すべく、昨年CTA
Japan コンソーシアムが結成され、CTA に正式メンバーとして参加を果たしました。
既存のガンマ線コミュニティの枠を大きく越えて、X線や理論の研究者も多く集ま
り、新たなグループとして活動を始めています。この一年で組織もしっかりと固ま
り、研究費を獲得して日本独自の装置開発研究もスタートしました。理論家を中心に
したサイエンス検討でも CTA 全体の中で日本の存在感を発揮しつつあります。

本研究会は、CTA 及び CTA Japan の現状を広く日本コミュニティに知って頂き、こ
の流れをさらに確かなものにするために企画致しました。また、CTA における日本の
貢献をどうやって実現していくかという戦略を練る会にしたいと思います。CTA にご
関心をお持ちの方の幅広い参加を歓迎いたします。研究会、及びそれに引き続いて行
われるcollaboration meeting とブートキャンプも含めて、全てオープンでどなたで
もご参加頂けます。

世話人:戸谷友則(京都大学)、手嶋政廣(東京大学 & MPI)、
    井岡邦仁(KEK)、吉田龍生(茨城大学)

研究会URL:
http://cta.scphys.kyoto-u.ac.jp/workshop/CTA-J/2010/

研究会プログラム(敬称略)

11月16日 (火)
 10:30-10:35(5)
  「開会挨拶+趣旨説明」 戸谷 友則(京都大学)

セッション1 :  ガンマ線天文学の現在と将来     座長 田島 宏康
 10:35-11:05(25+5)
  「TeV ガンマ線レビュー」 手嶋 政廣(東京大学&MPI) 
                                
 11:05-11:35(25+5)
  「フェルミ衛星による超新星残骸からのガンマ線の観測」 片桐 秀明(広島大学)

 11:35-12:05(25+5)
  「フェルミ衛星による活動銀河核からのガンマ線の観測」 林田 将明(京都大学)

 12:05-13:10(65)   昼 食

 13:10-13:40(25+5)
  「CTA計画現状とCTA-Japan活動状況」 戸谷 友則(京都大学)

セッション2 : 高エネルギー天文学の戦略(1)     座長 井岡 邦仁
 13:40-14:10(25+5)
  「宇宙線加速に関わる理論的課題」 高原 文郎(大阪大学)

 14:10-14:40(25+5)
  「最高エネルギー宇宙線観測の現在」 常定 芳基(東京工業大学)

 14:40-15:10(25+5)
  「星間雲からのガンマ線放射」 福井 康雄(名古屋大学)

 15:10-15:40(30)   休 憩

 15:40-16:10(25+5) 
  「IceCube実験の最新結果と国際共同実験における日本グループの戦略」 吉田 滋(千葉大学)

 16:10-16:40(25+5)
  「大型低温重力波望遠鏡LCGTで探る高エネルギー天体現象」 神田 展行(大阪市立大学)

 16:40-17:10(25+5)
  「X線天文学の課題と戦略」 河合 誠之(東京工業大学)

セッション3 : CTAで狙うサイエンス(1)    座長 折戸 玲子
 17:10-17:35(20+5)
  「TeVガンマ線で明るいパルサー星雲と暗いパルサー星雲」 田中 周太(大阪大学)

 17:35-18:00(20+5)
  「ガンマ線連星LS5039におけるTeVガンマ線放射とCTA」 山口 正輝(大阪大学)
 
 18:00-18:20(15+5)
  「超新星残骸から逃走した宇宙線」 大平 豊(KEK)

 18:30-20:00(90)  懇親会


11月17日 (水)
セッション4 : 高エネルギー天文学の戦略(2)    座長 窪 秀利
 9:30-10:00(25+5)
  「センチ波電波天文学の将来計画」 中西 裕之(鹿児島大学)

 10:00-10:30(25+5)
  「宇宙赤外線背景放射でさぐる宇宙初期天体」 松浦 周二(ISAS/JAXA)

セッション5 : CTAで狙うサイエンス(2)     座長 吉越 貴紀
 10:30-10:50(15+5)
  「GRBと超遠方宇宙」 井上 進(京都大学)

 10:50-11:10(15+5)
  「GRBから期待されるガンマ線光度曲線」 浅野 勝晃(東京工業大学)

 11:10-11:35(20+5)
  「宇宙の物質、磁場、背景輻射中で発達する電子光子シャワーの特徴」 中塚 隆郎(岡山商科大学)

 11:35-11:55(15+5)
  「高エネルギー天体による宇宙磁場の探索」 高橋 慶太郎(名古屋大学)

 11:55-12:15(15+5)
  「天体からの宇宙線電子・陽電子放射とCTAなどの将来計画」 川中 宣太(KEK)


CTA-Japan Collaboration Meetingプログラム  12:15-12:40(20+5)   ・EU、日本でのCTA活動状況全体報告  手嶋 政廣(東京大学&MPI)  12:40-13:50(70)   昼 食  13:50-15:50(15x8)   ・各ワーキングパッケージ報告 [各コーディネーター]      物理(PHYS)   井岡 邦仁(KEK)     焦点面光検出器(FPI)  折戸 玲子(徳島大学)     エレクトロニクス(ELEC)  窪 秀利(京都大学)     キャリブレーション(CAL)  田島 宏康(名古屋大学)     分割鏡(MIR)  手嶋 政廣(東京大学&MPI)     モンテカルロ(MC)  吉越 貴紀(東京大学)     データ(DATA)  手嶋 政廣(東京大学&MPI)     大口径望遠鏡(LST)  手嶋 政廣(東京大学&MPI)  15:50-16:20(30)   ・議論:日本の戦略 11月18日 (木) Boot Campプログラム  9:00-11:00(120)   ・ELEC     1. CTA回路概略  窪 秀利(京都大学)     2. プリアンプ・メインアンプ  萩原 亮太(山形大学)     3. トリガー  中森 健之(早稲田大学)     4. アナログメモリDRS4チップの特性  片桐 秀明(広島大学)     5. アナログメモリ読み出し回路  青野 正裕(京都大学)     6. イタリア版回路のPMT接続試験  株木 重人(京都大学)     7. 日本版回路のPMT接続試験  青野 正裕(京都大学)     8. TARGETプロジェクト  奥村 曉(ISAS/JAXA)     9. NECTARプロジェクト  青野 正裕(京都大学)  11:00-12:00(60)   ・FPI/ELEC/CAL(1)  12:00-13:00(60)   昼 食  13:00-14:00(60)   ・FPI/ELEC/CAL(2)     1. 全体の状況  折戸 玲子(徳島大学)     2. R8619MOD100の試験  米谷 光生(広島大学)     3. CW,カメラ窓材の試験  折戸 玲子(徳島大学)     4. Slow Control Boardの設計について  大岡 秀行(東京大学)     5. Si PMのReview  手嶋 政廣(東京大学&MPI)     6. FPIでのCalibration項目についてCALグループ  14:00-16:00(120)   ・PHYS     1. CTA Japanが狙うGRB Science  井上 進(京都大学)     2. CTA Japanが狙うAGN Science  林田 将明(京都大学)     3. CTA Japanが狙うSNR Science  馬場 彩(ISAS/JAXA)     4. CTA Japanが狙うDark Matter Science  郡 和範(KEK)  16:00-16:30(30)   ・全体議論